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葬送儀礼を振り返る

大正大学文学部人文学科 教授 村上 興匡

大正大学文学部人文学科
教授 村上 興匡(むらかみ こうきょう)

 近年、日本の仏教と葬儀をめぐる状況は大きく変化をしてきているといわれる。従来、亡くなる人全体の九割以上は仏教式葬儀で葬られてきた。葬式をせずただ遺体を火葬するのみの「直葬」や家族のみで葬式をおこなう「家族葬」といった葬儀簡素化の動きや、ふるさとの墓を整理する「墓じまい」など「墓」や「先祖」の継承を途絶する動きが見られるようになった。こうした変化の背景には、地方から都市への人口移動(都市化)や少子高齢化による家族や人間関係の変化(個人化)の問題があると考えられる。背景には年間三万人を超える孤独死に代表されるような人々の孤立状況があり、生きている個人を中心とする生死観によって、「終活」や「断捨離」など「他者に迷惑をかけない」ための死に支度のブームが生み出されているように思われる。

 本稿では、三回にわたって、日本における仏教と葬儀との関わりの歴史を振り返りながら、葬儀と社会変化の関係、「死」を扱う文化 の意味について考えていきたい。

 葬送儀礼を振り返る 1(全仏604号)

  • 1. 今日の葬送儀礼をめぐる状況
  • 2. 日本における仏教と庶民葬儀の歴史
  • 3. 仏教と「死」を扱う文化

 葬送儀礼を振り返る 2(全仏605号)

  • 4. 戦後の葬儀慣習の変化とその意味 二つの個人化

 葬送儀礼を振り返る 3(全仏606号)

  • 5. 「故人のための葬儀」と「終活」
  • 6. 「無縁社会」と「三人称の死」の問題
  • 7. 「葬儀」を考える

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