おしゃかさまって?

おしゃかさまって?

お誕生(たんじょう)

お釈迦さまが、お生まれになったのは今から二千五百年ほど前のことです。お釈迦さまは、天界から牙が六本ある白い象の姿になって、ヒマラヤのふもとにあるカピラ城のマーヤーさまの胎内におくだりになりました。

マーヤーさまは、出産のためお里に帰る途中、ルンビニー園という花園でお休みになりました。マーヤーさまがアショーカの枝に手を伸ばした時、右の脇から王子さまが誕生されました。

王子さまは、七歩あゆまれて、右手で天を、左手で地を指さし、

(天にも地にもただわれ独り尊し) と言われたと伝えられています。

四門出遊(しもんしゅつゆう)

マーヤーさまは、王子が誕生してから七日目にお亡くなりになられたのでしたが、王子さまは、学問、武芸ともにすぐれ、しかも、情け深い、心のやさしい王子さまになられました。

お城には、東西南北、四つの門がありました。ある時、王子さまは、東の門から外出され老衰した人を、次の日は南の門で病人を、その次の日には西の門で弔いの行列をご覧になり、この世界のさまざまな苦しみをお知りになりました。

そして、最後の北の門で修行者をご覧になり、出家して、人々の苦しみを救うことを決心されました。

成道(じょうどう)

王子さまは出家され、だれよりも苦しい修行を続けられました。けれども六年目に苦行の無意味さを知り苦行をやめました。王子さまは、川で身体を清められ、スジャーターという娘からの乳がゆの供養によって、体力を回復されました。

王子さまは、菩提樹の木の下に座られ、悟りを得るまではそこを動くまいと決心されました。そして七日目の夜明け、空に明けの明星が輝く頃、悟りを得て仏陀となられました

この時から王子さまは、釈迦族の聖者、お釈迦さまと呼ばれるようになりました。

涅槃(ねはん)

お釈迦様は、四十五年という長い間インドの国中に教えを説いて歩かれました。お釈迦さまの評判は日に日に広まっていきましたが、八十歳になられた時、お体の具合が悪くなられました。お釈迦さまは、クシナガラというところのシャーラ双樹の下に横になられました。

 

「わが亡き後は、わが教えを守り精進せよ。」というお言葉を残されて、静かに涅槃にお入りになりました。

そのお言葉のように、お釈迦さまが亡くなられてから二千五百年ほどたった今でも、お釈迦さまの教えは生きつづけて、私たちを教え導いてくださっているのです。

池田 源英・画 鈴木出版(株)刊 施本「おしゃかさま」818806より引用

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