原子力発電所事故について:理事長談話
全仏からのお知らせ
本会は「原子力発電所事故について」との理事長談話を、6月10日付けで報道各社にもプレスリリースを致しました。ホームページ上でも、同内容の見解を発表致します。
原子力発電所事故について
東日本大震災によって被災されましたすべての皆さまに衷心よりお見舞いを申しあげます。お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈りいたしますとともにご遺族と関係者の方々にお悔やみを申しあげます。
さて、この度の大震災により東京電力福島第1原子力発電所が被災し、今までの安全神話が脆くも崩れ、近隣住民をはじめ、放射線値の高い地域の方々は避難 を強いられております。また乳幼児や児童をもつ多くのご家族が放射能の子どもたちへの健康被害を心配し、大きな不安の中、生活を送っています。
現在、福島第1原子力発電所を中心に半径20キロメートルの地域は、立ち入りを禁止され、さらに避難準備区域や計画的避難区域が国によって設定されてい ます。しかし、福島第1原子力発電所の炉心事故は、収束までに長時間を要する状況にあって、未だ放射性物質が広範囲の地域・海洋に飛散しております。風の 向きと地形などによって違いがあるものの環境や人体に及ぼす影響は、どのような結果を及ぼすのか専門家にとっても予測ができません。日本だけでなく、地球 規模で拡散する放射性物質は、自然環境と食を通じて人体に影響を及ぼす可能性は否めません。特に乳幼児さらには将来生まれてくる子どもたちへの影響を懸念 いたします。
被災地の人々をはじめ、すべての国民が安心して暮らすことができますよう、政府および東京電力、関係各位におかれては、被害者の方々への支援とともに子 どもを持つご家族の不安を和らげるべく対策を講じ、一日も早く福島第1原子力発電所の炉心事故を収束していただきたく、切望いたします。
平成23年6月10日
財団法人 全日本仏教会
理事長 有田惠宗