首相及び閣僚の靖国神社公式参拝中止の要請文を提出
声明・談話・要望書
本会は、憲法の定める「信教の自由・政教分離」の原則に従い、「首相及び閣僚の靖国神社公式参拝中止の要請文」を、2009年7月24日(金)午前10時30分に提出致しました。
麻生太郎内閣総理大臣宛の「首相及び閣僚の靖国神社公式参拝中止の要請文」は、首相官邸において深澤信善事務総長及び深真樹社会人権審議会副委員長が浅野勝人内閣官房副長官へ手交いたしました。
本会及び加盟団体は、仏教を通じて世界の国々との交流と相互理解をこれまで深めてまいりました。この度の中止要請文は、靖国問題を日本と中国・韓国などアジア諸国との政治・外交上の問題として捉えて提出したものではありません。
本会はあくまでも「信教の自由」と「政教分離の原則」を堅持すべきという理由から中止要請文を提出いたしました。以下に中止要請文の内容を掲載致します。
浅野勝人内閣官房副長官(左)へ深澤信善事務総長(中央)及び深真樹社会人権審議会副委員長(右)が中止要請文を手交
首相及び閣僚の靖国神社公式参拝中止の要請
本会は、首相及び閣僚の「靖国神社公式参拝」に対して、反対の意志を表明し、公式参拝中止を要請いたします。
靖国神社は、特定の基準をもって合祀の対象とした戦没者を神霊として祀る神社であり、純然たる宗教施設であることが明白であります。
拠って、一宗教団体である靖国神社に首相及び閣僚が公式参拝することは、どのような形式をとりましても、憲法に定める「信教の自由・政教分離」の原則に違反することは疑いの余地がございません。
最高裁判所は、靖国神社等への公金支出が、金額の多寡を問わず憲法違反に当たるという、明確な判断を示しております。
私たちは、戦後六十四年のあいだ日本国民が守り育ててきたこれらの憲法の規定こそが、今日の日本の平和と繁栄の礎となっていることを、改めて確認し伝えていきたいと思います。
戦没者の追悼は、国家が特定の宗教に関わって行うべきものではなく、各ご遺族がそれぞれに真実と仰ぐ宗教によってなされるべきものであることは、当然のことであります。
以上の理由から本会は、首相及び閣僚が、靖国神社への公式参拝をなされないよう、強く要請いたすものであります。
二〇〇九年七月二十四日
財団法人 全日本仏教会
理事長 豊 原 大 成
内閣総理大臣
麻 生 太 郎 殿